学長メッセージ
長崎大学 学長 河野 茂
平成29年10月1日付で学長職を拝命いたしました河野茂です。長崎大学は、平成21年度に「男女共同参画推進センター」を開設して以来、仕事(研究)と育児の両立支援事業の推進・定着に努めてまいりました。さらに、伊東昌子教授をセンター長に迎え、平成27年度、文部科学省科学技術人材育成費補助事業「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(特色型)」に採択されたことを機に、センター名を「ダイバーシティ推進センター」と改称。「長崎大学で学び働くすべての人が、個々の能力を十分発揮できるダイバーシティ環境の実現」を旗印に、実績を挙げてきた従来の取組に加え、昨今の社会変化に対応する新たな視点を取り入れた長崎大学独自の取組へと前進させました。
ダイバーシティを推進する背景には、社会の変化への柔軟な対応が内在しており、小児への対策とともに重要な高齢化への対応として急増する介護ニーズがあります。長崎大学では「介護コンシェルジュ」を置き、仕事(研究)と介護の両立支援や、介護者を支えるサポーターの育成等には地域を巻き込んで、年々手ごたえが大きくなるのを感じています。
さらに育児への対応を強化し、平成29年4月1日には「長崎大学文教おもやい保育園」を開園。「大学病院あじさい保育園」とあわせ、本学教職員の両立支援体制をより盤石なものといたしました。企業主導型保育事業における国立大学法人の設置第一号である本園は、伊東センター長のリーダーシップとセンタースタッフの努力の結実でもあります。
また「研究者のための働き方見直しプログラム」も他に類を見ない特長の一つです。これに「女性リーダー育成プログラム」を加えた4本の活動の柱で、教職員のワークライフバランス実現と、女性研究者の研究力向上及び採用・登用の増加につながる包括的な取組を展開しています。
私は、大学が持つ重要な役割ごとに4つの基本方針を掲げました。そのうち、特に「教職員の多様性とやる気を生かす大学づくり」に関して、ダイバーシティ推進センターの果たす役割は非常に重要です。多様な人材が活躍するためのキーワードは「適材適所」。ダイバーシティ推進センターによる支援事業の充実と、人材を効率的に配置し、実績を適切に評価する「ダイバーシティ・マネジメント」の実践により、教職員のモチベーションと能力は大きく引き出されるでしょう。
誰もが働きやすい環境で、生き生きと研究活動や業務に従事している。この輝く未来の実現のために、ダイバーシティ推進センターと共にしっかりと歩みを進めてまいります。
今後とも、本事業に対する皆様のご理解、ご協力を何卒宜しくお願い申し上げます。