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メッセージ

学長メッセージ

令和5年10月1日付で学長職を拝命いたしました永安武です。

長崎大学は、平成21年度に「男女共同参画推進センター」を開設して以来、仕事(研究)と育児の両立支援事業の推進・定着に努めてまいりました。

平成27年度には、文部科学省科学技術人材育成費補助事業「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(特色型)」に採択されたことを機に、センター名を「ダイバーシティ推進センター」と改称。さらに、平成30年「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(先端型)」に採択され、取組を前進させてまいりました。「長崎大学で学び働くすべての人が、個々の能力を十分発揮できるダイバーシティ環境の実現」を旗印に、実績を挙げてきた従来の取組に加え、女性研究者の国際的研究力の向上、働き方の見直し、教職員の意識改革に取り組んでまいりました。その成果により、長崎大学は国立総合大学の中で女性教員割合が1位となっております。

本学では、すべての教職員が安心して長崎大学で働くことができるよう、多様化するライフイベントにも柔軟に対応できるサポート体制も整えてまいりました。「介護コンシェルジュ」を置き、仕事(研究)と介護の両立支援や、介護者を支えるサポーターの育成等には地域を巻き込んだ取組は、県内外の大学や企業からも注目されおります。さらに育児への対応を強化し、企業主導型保育事業における国立大学法人の設置第一号として、平成29年4月1日には「長崎大学文教おもやい保育園」を開園しました。日中、学内を散歩する園児たちの姿を、大学で働き学ぶ人たちみんなであたたかく見守っています。
また、本学には高い研究力を有する多くの女性研究者が働いています。様々な研究支援制度に加えて、さらに国際的な活躍を後押しするために「海外派遣支援制度」や、優秀な研究成果を顕彰する「長崎大学羽ばたく未来の女性研究者賞」を設けています。今後も、国立大学のダイバーシティ推進のトップランナーとして、多くの女性研究者が、早期に、そして継続的に活躍できる体制を整えてまいります。

本学は、地球規模で抱える複雑で多様化する諸課題の解決に向けて、「プラネタリーヘルス(地球の健康)」に貢献する大学の実現を掲げております。その基盤にダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンがあることは言うまでもありません。本学で学び、働くすべての人びとの個性や力が生き生きと発揮できる職場・研究環境を実現していくために、ひいては、長崎や日本社会全体の輝く未来のために、ダイバーシティ推進センターと共に、着実に歩みを進めてまいります。

今後とも、本事業に対する皆様のご理解、ご協力を何卒宜しくお願い申し上げます。

学長 永安 武

センター長メッセージ

ダイバーシティ推進センターのセンター長として、皆様にご挨拶申し上げます。

令和5年10月より新しくセンター長に就任させていただくことになりました。これまでのセンター長が築いてこられた基盤を尊重し、発展させていくため、心を込めて努力しないといけないと気を引き締めております。

ダイバーシティ推進センターはこれまで、前任者の方々、そしてセンターのスタッフの方々の尽力により、多様なバックグラウンドを持つ教職員や学生を支援し、個々に手厚く対応されてきました。労働環境や教育環境を改善するために高い目標を掲げ、予算を獲得し、実践していく-並大抵のことではありませんが確実に進めてこられています。しかしその努力の一方でその活動がなかなか広く伝わらないのも組織の悩みだと感じています。ダイバーシティ推進センターというキャリアやライフイベントを支えるセンターが学内にあり、邁進するスタッフがいることを知ってもらい、あるときは活用し、あるときは応援してもらいながら、長崎大学の多くの人とともにあるセンターにしていければと思っています。

私は工学部出身で女性はマイノリティでした。大学時代の学科では女子学生は4名、社会に出ようとするころから多くの差別やハラスメントを経験しました。しかし工学系の若い女性の方たちと話していると状況は各段に良くなっているように感じます。それでも日本は世界的に見て理系の女性が圧倒的に少ない状況はあまり改善しておらず、大学で理系を選んだ女性の比率は、経済協力開発機構(OECD)平均が52%に対して日本は27%、私の所属する工学はOECD の平均26%に対して日本は16%です*。文系に比べて理系はまだ女性にとって「普通の」選択肢ではないと言えます。ダイバーシティ推進センターとして、リケジョを増やすために中高生にもアプローチしていけたらと思っています。

近い将来には性差だけでなく、人種、宗教、性的指向、障がいなど異なるバックグラウンドを持つ人々の多様性が受け止められるインクルーシブな環境が構築できるといいと思います。私は建築が専門でもありますので、空間づくりにも注力したいと考えています。なにか困っていることやアイデアがありましたらお寄せください。

以上散文となりましたが、皆様のご支援と協力を心よりお願い申し上げる次第です。どうぞよろしくお願いいたします。

* OECD「The Pursuit of Gender Equality: An Uphill Battle」2021.9

ダイバーシティ推進センター長・教授
安武 敦子