センター長メッセージ

ダイバーシティ推進センター長・教授 安武 敦子
ダイバーシティ推進センターのセンター長として、皆様にご挨拶申し上げます。令和5年10月より新しくセンター長に就任させていただくことになりました。これまでのセンター長が築いてこられた基盤を尊重し、発展させていくため、心を込めて努力しないといけないと気を引き締めております。
ダイバーシティ推進センターはこれまで、前任者の方々、そしてセンターのスタッフの方々の尽力により、多様なバックグラウンドを持つ教職員や学生を支援し、個々に手厚く対応されてきました。労働環境や教育環境を改善するために高い目標を掲げ、予算を獲得し、実践していく-並大抵のことではありませんが確実に進めてこられています。しかしその努力の一方でその活動がなかなか広く伝わらないのも組織の悩みだと感じています。ダイバーシティ推進センターというキャリアやライフイベントを支えるセンターが学内にあり、邁進するスタッフがいることを知ってもらい、あるときは活用し、あるときは応援してもらいながら、長崎大学の多くの人とともにあるセンターにしていければと思っています。
私は工学部出身で女性はマイノリティでした。大学時代の学科では女子学生は4名、社会に出ようとするころから多くの差別やハラスメントを経験しました。しかし工学系の若い女性の方たちと話していると状況は各段に良くなっているように感じます。それでも日本は世界的に見て理系の女性が圧倒的に少ない状況はあまり改善しておらず、大学で理系を選んだ女性の比率は、経済協力開発機構(OECD)平均が52%に対して日本は27%、私の所属する工学はOECD の平均26%に対して日本は16%です*。文系に比べて理系はまだ女性にとって「普通の」選択肢ではないと言えます。ダイバーシティ推進センターとして、リケジョを増やすために中高生にもアプローチしていけたらと思っています。
近い将来には性差だけでなく、人種、宗教、性的指向、障がいなど異なるバックグラウンドを持つ人々の多様性が受け止められるインクルーシブな環境が構築できるといいと思います。私は建築が専門でもありますので、空間づくりにも注力したいと考えています。なにか困っていることやアイデアがありましたらお寄せください。
以上散文となりましたが、皆様のご支援と協力を心よりお願い申し上げる次第です。どうぞよろしくお願いいたします。
* OECD「The Pursuit of Gender Equality: An Uphill Battle」2021.9